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文献詳細

雑誌文献

胃と腸31巻12号

1996年11月発行

症例

胃潰瘍が心膜腔に穿破し,心膜気腫を発症した胃心膜瘻の1例

著者: 金木利通1 川嶋彰1 甲斐龍一1 佐藤悦郎1 久保惠嗣1 関口守衛1

所属機関: 1信州大学医学部第1内科

ページ範囲:P.1535 - P.1538

文献概要

要旨 患者は42歳の女性.突然の悪心,嘔吐後の胸部不快感,呼吸困難,発熱を主訴に受診.胸部X線写真上,心膜気腫,縦隔気腫を認め,著明な炎症所見もあり,心膜炎,縦隔炎と診断した.胸部CT所見より,その原因として胃心膜瘻の存在が推定された.絶食,中心静脈栄養管理,抗生剤H2ブロッカー投与,心膜ドレナージを施行し,改善した.胃内視鏡検査を施行したところ,胃体上部前壁側に深い下掘れ型潰瘍を認め,ドレナージチューブから注入した色素液の潰瘍底からの流出を確認した.瘻孔閉鎖後,収縮性心膜炎による心不全が出現したが,保存的治療で改善した.胃潰瘍の合併症としての胃心膜瘻の報告はまれであり,若干の文献的考察を加え報告した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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