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文献詳細

雑誌文献

胃と腸31巻13号

1996年12月発行

文献概要

今月の主題 大腸腫瘍の自然史 主題

X線像によるretrospectiveな検討からみた大腸腫瘍の自然史

著者: 牛尾恭輔1 石川勉1 宮川国久1 飯沼元1 山城正明1 内山菜智子1 落合淳志2 下田忠和3

所属機関: 1国立がんセンター中央病院放射線診断部 2国立がんセンター研究所病理 3国立がんセンター中央病院臨床検査部

ページ範囲:P.1553 - P.1566

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要旨 大腸腫瘍の自然史は病変ごとにそれぞれ異なっている.だが,大腸腫瘍の自然史,特に進行大腸癌への自然史には,共通性もみられる.X線像による遡及的検討の結果,6mm以上の病変では,無茎や扁平な表面隆起型の病変から進行癌に発育するのが,主経路であろうと再確認できた.今回更に,①同じ個体で同じ部位に発生した腫瘍でも,それぞれ発育・進展とdoubling timeは異なっている.②Is型の早期癌には形態的にみて,主に分葉状,結節状およびその中間状の病変がある.結節状のⅠs型癌は,癌がsmに深く多量に浸潤した病変が多く,また早急に進行癌へ推移しやすい.③潰瘍浸潤型(3型)に推移した3病変の初期形態は,それぞれⅡa型,結節集簇から成るⅡa様,Ⅰs型病変であった.④画像とともに組織学的な経過が得られた2症例3病変の検討で,すべて経時的に異型度が増していた.また,腺腫から腺癌へ進みうる症例があることを実例をもって示した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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