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文献詳細

雑誌文献

胃と腸31巻13号

1996年12月発行

文献概要

今月の主題 大腸腫瘍の自然史 主題

大腸癌の自然史

著者: 西沢護1 大倉康男1 岩根英治1 大浦通久1 尾崎幹1 八巻悟郎1 志賀俊明1 野本一夫1 細井董三2 中井呈子2 山村彰彦2 中村尚志2 松川正明3 菊地和人3

所属機関: 1東京都がん検診センター 2多摩がん検診センター 3昭和大学医学部附属豊洲病院消化器科

ページ範囲:P.1583 - P.1598

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要旨 手術が行われたsm以深の大腸癌のretrospective study,生検でadenoma(一部cancerと診断されたものを含む)と,診断された5mm以上10mm未満の大腸ポリープ(Ⅰp,Ⅰsp,Ⅰs,Ⅱa)のfollow-up studyおよび実体顕微鏡による大腸正常粘膜の検索から次のような結果を得た.①smからsまたはaに達するのに約2年を要する.②mに存在する期間はかなり長く,数年を要する.③Ⅱb,Ⅱc,Ⅱc+Ⅱa,Ⅱa+Ⅱcなどの表面平坦,陥凹型から発育・進展するde novo carcinomaが大腸癌発生のメインルートであり,その早期のものはX線,内視鏡とも見逃されやすい.④いわゆるポリープ(Ⅰp,Ⅰsp,Ⅰs,Ⅱa)は発見されやすいが,10mm以上に増大するものは少なく,10mm未満の腺腫またはポリープは多数存在し,多発(同時性,異時性)するものが多く,ポリペクトミーの絶対的適応とはならない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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