文献詳細
文献概要
--------------------
書評「C型肝炎」
著者: 織田敏次1
所属機関: 1日本赤十字社医療センター
ページ範囲:P.1616 - P.1616
文献購入ページに移動 医学書院からこの度,林紀夫,清澤研道両博士の編集による「C型肝炎」が上梓された.現在,活発に肝炎の臨床に専心しておられる両博士である.同好の士あい集い,現状がより克明にとらえられている.ぜひお薦めいたしたい.
国を挙げてのわが肝炎研究陣も,B型には一応のメドを……,さては非A非B型肝炎と,行政の支援もとりつけた矢先の1988年秋,筆者に1通の招待状がカイロン社のRutter氏から届く.非A非B型肝炎ウイルスの診断法を開発したので評価してほしいと言われる.早速にNIHでの会合に向かうのだが,内心穏やかではない.しかし,本物ならば1日も早く手に入れなければならない.その秋にはRutter氏が来日し,西岡久壽彌博士とともにさるホテルで朝食をとりながら,交渉に熱が入る.おかげでC100-3抗体をいち早く手に入れ,数か月後にはわが国での全貌をほぼ把握し,輸血によるC型肝炎は激減,不幸中の幸いと言わねばなるまい.
国を挙げてのわが肝炎研究陣も,B型には一応のメドを……,さては非A非B型肝炎と,行政の支援もとりつけた矢先の1988年秋,筆者に1通の招待状がカイロン社のRutter氏から届く.非A非B型肝炎ウイルスの診断法を開発したので評価してほしいと言われる.早速にNIHでの会合に向かうのだが,内心穏やかではない.しかし,本物ならば1日も早く手に入れなければならない.その秋にはRutter氏が来日し,西岡久壽彌博士とともにさるホテルで朝食をとりながら,交渉に熱が入る.おかげでC100-3抗体をいち早く手に入れ,数か月後にはわが国での全貌をほぼ把握し,輸血によるC型肝炎は激減,不幸中の幸いと言わねばなるまい.
掲載誌情報