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文献詳細

雑誌文献

胃と腸31巻13号

1996年12月発行

文献概要

今月の主題 大腸腫瘍の自然史 主題

大腸腫瘍の組織構築と発育進展様式

著者: 八尾隆史1 菅尾頼明1 佐々木達1 江口浩一1 恒吉正澄1

所属機関: 1九州大学医学部第2病理

ページ範囲:P.1627 - P.1632

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要旨 大腸早期癌165病変と陥凹型腺腫35病変の臨床病理学的特徴とp53蛋白発現を解析した.非隆起型癌(non-polypoid growth carcinoma; NPG癌)は隆起型癌(polypoid growth carcinoma; PG癌)に比べ男性に多く,右側結腸発生率が高く,長径が小さく,腺腫合併率が低く,両者の組織発生の違いが示唆された.更にNPG癌のうち粘膜内成分が表層全層型のものは,陥凹型腺腫と性差,発生部位,組織構築の点で共通性があり,それらの組織発生の関連性が示唆された.また,NPG癌,PG癌ともに腺腫内癌より純粋癌で脈管侵襲とリンパ節転移が高率であった.以上から,組織発生の違いにより発育進展様式や悪性度が異なると考えられた.p53蛋白発現は組織構築や悪性度とは相関はなかった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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