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今月の主題 大腸腫瘍の自然史
主題
文献概要
要旨 経時的変化が捉えられた大腸腫瘍として,第44回大腸癌研究会に報告された症例の集計から,大腸腫瘍の自然史について考察した.2型ないし3型進行癌の初期病変としては,表面隆起型(Ⅱa,Ⅱa+Ⅱc)ないし無茎性病変(Ⅰs)が全体の2/3を占めていた.また,表面隆起型が隆起型へ形態変化することはまれではないことが明らかとなった.しかし,表面陥凹型(Ⅱc,Ⅱc+Ⅱa)の自然史については報告例が少なく,十分な検討はできなかった.大腸腫瘍の自然史の解明のためには,内視鏡による表面陥凹型病変の発見と,prospectiveな経過観察が必要であろう.
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