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今月の主題 大腸腫瘍の自然史 座談会
大腸腫瘍の自然史を語る
著者: 工藤進英1 鶴田修2 横山善文3 松永厚生4 岩下生久子5 大倉康男6 八尾恒良7 加藤洋8
所属機関: 1秋田赤十字病院胃腸センター 2久留米大学医学部第2内科 3名古屋市立大学医学部第1内科 4仙台市医療センター消化器内科 5福岡赤十字病院放射線科 6東京都がん検診センター検査科 7福岡大学筑紫病院消化器科 8癌研究会癌研究所病理
ページ範囲:P.1654 - P.1671
文献購入ページに移動以前はadenoma-carcinoma sequenceが定説になっていたのですが,中村恭一先生の批判があり,陥凹型早期大腸癌が見つかるようになって随分事情が変わってきました.大腸に陥凹型大腸癌があるということは,まず狩谷淳先生が,familial polyposisの症例で報告され,その後で西沢護先生が,切除された大腸のマクロを実体顕微鏡で検索されて,白壁彦夫先生は“虫眼鏡でもって高速道路に落ちたコンタクトレンズを捜した”と表現されたのですが,ものすごい努力をされて,平坦型,あるいは陥凹型の大腸癌,大腸腫瘍があるということを発見なさった.その後に工藤進英先生が臨床例で,たくさんの陥凹型癌を発見され,今日に至っているという歴史があります.大腸腫瘍の自然史に対する考え方は15年前とは,大きく変わっていると思います.現在では臨床的,病理学的解析にとどまらず,遺伝子解析の手法も加わってきています.今日は,歴史的な背景を踏まえて,大腸腫瘍のメインルート,すなわち,2型進行癌に至る早期癌からのメインルートを主なテーマにしたいと思います.今日は,臨床経験の多い先生方を中心にお集まりいただきました.そして病理面から加藤先生,大倉先生に臨床の先生と異なった厳しい意見を頂戴するやり方で議論を進めていきたいと思います.加藤先生,よろしくお願いします.
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