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文献詳細

雑誌文献

胃と腸31巻2号

1996年02月発行

文献概要

今月の主題 いわゆる表層拡大型大腸腫瘍とは 主題

表層拡大型大腸腫瘍の病理組織学的検討

著者: 大倉康男1 山村彰彦2 三上哲夫13

所属機関: 1東京都がん検診センター検査科 2多摩がん検診センター検査科 3東京医科歯科大学医学部第1病理

ページ範囲:P.143 - P.152

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要旨 表層拡大型大腸腫瘍について定義の検討を行い,その臨床病理学的特徴を求めた.長径3cm以上の非有茎性早期癌の肉眼型を主体とする大腸腫瘍52例を対象として,腫瘍径を長径3cm以上,短径3cm以上,長径5cm以上,短径5cm以上の4群に分け,肉眼所見ならびに組織学的所見について検討した.組織学的に同じ性質を有する腫瘍群をある一定の大きさで分けることは難しいが,4群の中では短径5cm以上の群が最も特徴的な所見を示した.表層拡大型の英訳であるsuperficial spreading typeには丈が低いまま拡がる腫瘍としての意味が強いが,高さの定義を決めることが難しいことから今回は大きさだけの定義とし,短径5cm以上を表層拡大型大腸腫瘍とした.その定義は胃に類似したものである.臨床病理学的特徴は,①m癌が多く,②Ⅱa型が主体であり,③表面模様は顆粒が主体のものが多く,④組織学的には非全層性の所見が認められる管状腺管主体の高分化腺癌である.更に,検討結果から表層拡大型腫瘍に付けられている様々な名称について考察を加えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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