icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸31巻2号

1996年02月発行

今月の主題 いわゆる表層拡大型大腸腫瘍とは

主題

表層拡大型大腸腫瘍の病理形態学的特徴

著者: 安田一弘1 渡辺英伸1 松田圭二1 味岡洋一1 西倉健1 斎藤英俊1 佐々木正貴1 桑原明史1

所属機関: 1新潟大学医学部第1病理

ページ範囲:P.153 - P.166

文献概要

要旨 30mm以上の表層拡大型大腸上皮性腫瘍100例を用いて,その本態,形態形成機序および深部進展を検討した.100例のうち,腺腫が14例,m癌が43例,sm癌が14例,進行癌が29例であった.腺腫を有する病変が85%(85/100)で,純粋癌15%はすべて低異型度分化型癌を有していた.したがって,表層拡大型腫瘍は少なくとも85%以上の例で腺腫由来,残りは低異型度癌由来と推定される.表層拡大型大腸腫瘍は,管状構造の腫瘍として発生し,それが置換発育をすることで,管状絨毛構造となり,腸管の蠕動が弱い部(直腸に55%,盲腸と上行結腸にそれぞれ17%)の粘膜内を側方進展して,脳回状,結節状,顆粒状,絨毛状の病変になると考えられた.粘膜下以深への進展は,腺腫内に低異型度癌が発生し,後者の中に高異型度癌が発生して,これが浸潤するのが主経路と考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら