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今月の主題 いわゆる表層拡大型大腸腫瘍とは 主題
表層拡大型大腸腫瘍―私はこう考える―新しい用語は必要であろうか?
著者: 多田正大1 大塚弘友1
所属機関: 1京都第一赤十字病院胃腸科
ページ範囲:P.190 - P.191
文献購入ページに移動「胃と腸」第27巻4号において,表面が結節状で水平発育する病変に対して,“結節集簇様大腸病変”と呼称することが提唱された.そのとき筆者らの記載した文章1)を再現すると,“大腸ポリープのうち,腸管の水平方向に向かって発育し,背が高くならず扁平であり,表面が結節様ないし粗大顆粒様の凹凸を呈する病変が存在する.病変の一部に癌が併存していることもあるが,多くは病理組織学的にtubulovillous adenomaないしtubular adenomaであり,典型的なvillous tumorとは肉眼的にも組織学的にも異なる.このような病変の定義は各報告者の間で必ずしも一致しておらず,今日まで顆粒集簇様病変とかⅡa集簇様病変,creeping tumor,花壇様隆起などの名称で報告されてきた.まるで絨毯を敷いたような形態を呈するこのような一連の大腸病変に対して‘結節集籏様病変’と呼称する”となっている.これだけの文章で,この種の病変のすべてが網羅されているとは確信できないが,それでも読者に1つの考え方を提起できたものと思う.
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