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今月の主題 いわゆる表層拡大型大腸腫瘍とは 主題
表層拡大型大腸腫瘍―私はこう考える
著者: 松川正明1
所属機関: 1昭和大学豊洲病院消化器科
ページ範囲:P.198 - P.199
文献購入ページに移動 本号では表層拡大型大腸腫瘍を3cm以上に側方へ進展した腫瘍としている.自験例から3cm以上の腫瘍をみると,この大きさの腫瘍の98%以上は進行癌であった.しかし,3cm以上の病変でも少ない割合であるが,進行癌でない腺腫または早期癌がみられる.今までこのような大きな表層拡大した病変を代表するものとして絨毛腫瘍をその1つとして挙げることができる.絨毛腫瘍は絨毛様の腫瘤で粘液に覆われていることが多い.X線的にも粘液がない状態では絨毛による毛羽立ち像を認める.また,病変表層から粘液の分泌により病変の性状を明瞭に描出することが難しいことがある.病変の基底部の側面像で一見,腸壁の変形様の毛羽立ち像を認めることがある.絨毛腫瘍は絨毛腺腫から成る病変でその一部に腺癌もみられる.以上述べたような特徴が絨毛腫瘍にある.ところが,3cm以上側方に進展した病変には絨毛腺腫ばかりでなく,本誌第27巻4号で特集した結節集簇様病変がある.この病変では管状腺腫または絨毛腺腫から成る病変と,これらの腺腫が混在した病変があった.
自験例で3cm以上側方に進展した病変から表層拡大型の病変について述べる.順天堂大学病院と昭和大学豊洲病院で経験した3cm以上側方に進展し,その大部分が表面型であった病変は28病変(Table 1)であった.つまり,通常にみられる2型の進行癌は含まないことになる.3cm以上側方に進展し,大部分が表面型であった病変の一部に,1cm以上の結節状に腫大した部分をみた病変を腫瘤性とした.また,小結節状の表面性状から成る丈の低い病変を集籏性とした.この集簇性とした病変の特徴はほぼ同じような大きさの小結節から成り,腸壁に変形を認めなかった.この集簇性で4.5cmの病変で陥凹があっても,陥凹面にも小結節状の模様を認めた病変では腺腫であった.
自験例で3cm以上側方に進展した病変から表層拡大型の病変について述べる.順天堂大学病院と昭和大学豊洲病院で経験した3cm以上側方に進展し,その大部分が表面型であった病変は28病変(Table 1)であった.つまり,通常にみられる2型の進行癌は含まないことになる.3cm以上側方に進展し,大部分が表面型であった病変の一部に,1cm以上の結節状に腫大した部分をみた病変を腫瘤性とした.また,小結節状の表面性状から成る丈の低い病変を集籏性とした.この集簇性とした病変の特徴はほぼ同じような大きさの小結節から成り,腸壁に変形を認めなかった.この集簇性で4.5cmの病変で陥凹があっても,陥凹面にも小結節状の模様を認めた病変では腺腫であった.
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