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文献詳細

雑誌文献

胃と腸31巻2号

1996年02月発行

文献概要

今月の主題 いわゆる表層拡大型大腸腫瘍とは 主題症例

盲腸の表層拡大型大腸癌の1例

著者: 中野浩1 前田玲二1 野村知抄1 大橋儒郁1 神谷雅人1 八木伸郎1 保原怜子1 大橋秀徳1 高濱和也1 渡邊真1 伊藤圓1 川合正行2 山瀬博史2 佐橋清美2

所属機関: 1藤田保健衛生大学消化器内科 2健康保険東濃病院外科

ページ範囲:P.215 - P.219

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要旨 患者は70歳,女性.右下腹部痛で受診した.注腸X線検査では盲腸に大きな,表面が顆粒状の平坦な隆起性病変が認められた.大腸内視鏡検査では回盲弁周囲に大きな結節状隆起があり,その盲腸側には表面が顆粒状の平坦な隆起部分が見られた.生検診断は高分化腺癌であった.切除標本では,6.O×5.Ocmの大きさの結節集簇型の病変であった.病理組織診断は高分化腺癌,病変中央の部分の1か所で粘液産生を伴う癌の腺管が粘膜下層に浸潤し,固有筋層まで達していた.また,特に周辺部では絨毛管状腺腫の所見が認められ,この症例の癌の成り立ちにはadenoma-carcinoma sequenceが考えられた.そして,この症例で見られた,腫瘍が側方に広く拡がり,粘膜下層以下へはごく一部で浸潤していたという発育形式はいわゆる表層拡大型腫瘍に当てはまる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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