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文献詳細

雑誌文献

胃と腸31巻2号

1996年02月発行

文献概要

今月の主題 いわゆる表層拡大型大腸腫瘍とは 主題症例

非結節集簇様大腸腫瘍の1例―その形態学的特徴像と遺伝子背景

著者: 尾田恭1 藤井隆広1 木庭郁朗1 朴成和1 大津敦1 田尻久雄1 吉田茂昭1 長谷部孝裕2

所属機関: 1国立がんセンター東病院内科 2国立がんセンター研究所支所病理

ページ範囲:P.235 - P.241

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要旨 患者は70歳の男性.早期胃癌の手術目的で当センターに入院となった.術前注腸検査で表面型隆起性病変を指摘された.注腸・内視鏡検査で腫瘍は約30mmの極めて丈の低い平滑な表面隆起型腫瘍で,その腫瘍辺縁が外に凸の“花弁状”,ないしは“偽足様”所見を呈していた.腫瘍は一部に隆起成分を持ちsm浸潤を疑った.切除した結果,33×25mmのsm1の高分化腺癌+高度異型腺腫であった.sm浸潤は多中心性で,組織異型度は,癌との鑑別が困難な腺管が連続性に混在していた.p53の免疫染色で腫瘍全体に過剰発現を認め,K-rasの点突然変異は認めなかった.本症例と同じ表面型隆起で,腫瘍辺縁に筆者らが呼唱する“偽足様”所見を有する腫瘍群といわゆる結節集簇様腫瘍とをp53の免疫染色とK-rasの点突然変異について検索した結果も合わせて報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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