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文献詳細

雑誌文献

胃と腸31巻3号

1996年02月発行

文献概要

特集 図説 形態用語の使い方・使われ方 第Ⅱ部 検査手技・所見等の用語 a.検査・治療手技用語

留置スネア(detachable snare)

著者: 原田公1 中澤三郎1

所属機関: 1藤田保健衛生大学第2病院内科

ページ範囲:P.287 - P.287

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 留置スネアは有茎性または亜有茎性の隆起性病変の基部を内視鏡下に非通電性のループで緊縛して,内視鏡的切除術後の出血を予防する装置である.本スネアは1989年,蜂巣ら1)により開発され,直径2.5mm,有効長2,300mmのテフロン製チューブシース,直径1.9mmのステンレス製コイルシース,フックワイヤーおよびハンドルから成る.径2.8mm以上の鉗子孔を有する内視鏡に使用できる.使用するループはナイロン糸を加熱処理して紡錘形としたものに,緊縛状態を維持するためにシリコンラバー製ストッパーを装着されている.ループは最大径4cmの病変に使用する大型ループと最大径2.5cm以下の病変に使用する小型ループがある.

 留置スネアの使用方法は,まずループをフックワイヤーに引っかけて充塡する.病変部の近傍でチューブシースを引いてループを押し出し,押し出されて開いたループを隆起性病変の基部に掛けてから,ハンドルをゆっくり引き絞り,基部を十分に緊縛する.隆起性病変の血流が遮断されて色調が変化するのを確認した後,ハンドルを一杯に押し出して,ループをフックから取り外し留置する.内視鏡的切除では,隆起性病変の基部をループで緊縛した後,緊縛部位よりやや末梢側を高周波電流で切除する.亜有茎性病変では,緊縛部に近接して切除するとループが抜ける可能性があるため,注意を要する.机上実験では隆起性病変の基部を5mm以内に緊縛すれば,隆起性病変の血流を完全に遮断できる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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