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文献詳細

雑誌文献

胃と腸31巻3号

1996年02月発行

文献概要

特集 図説 形態用語の使い方・使われ方 第Ⅱ部 検査手技・所見等の用語 a.検査・治療手技用語

生検(biopsy)

著者: 藤野雅之1

所属機関: 1山梨医科大学第1内科

ページ範囲:P.288 - P.288

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 以前は主として剖検(autopsy)によって病理学的検索が行われたが,第二次世界大戦ごろから米国を中心に起こった,いわゆるsurgical pathologyの発展に伴って生体から組織を採取する新しい手法として,生検(biopsy)が登場した.以前は消化管粘膜の生検にも吸引生検(suction biopsy)が行われたが,現在消化管の分野では内視鏡観察下に生検鉗子(Fig. 1,2)を用いて狙撃生検をするのが通常の方法である.肝腫瘍の生検(Fig. 3)には超音波ガイド下に経皮的ルートで吸引生検が行われている.

 生検は通常光顕レベルの組織学的検査を目的として行われるが,このほか電子顕微鏡による観察や細菌培養,組織内の物質の定量,更にはDNA解析まで種々の目的に生検組織が用いられるようになっており,それぞれ目的に応じて適切な検体の取り扱いや処理,保存の方法が必要である.光顕レベルの組織検査にしても染色方法によっては検体の急速凍結が必要な場合がある.生検にあたってその目的をはっきり認識して十分な準備をしてから始めるべきである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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