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文献詳細

雑誌文献

胃と腸31巻3号

1996年02月発行

文献概要

特集 図説 形態用語の使い方・使われ方 第Ⅱ部 検査手技・所見等の用語 a.検査・治療手技用語

高周波電流(high frequency current)

著者: 今枝憲郎1 横山善文1 伊藤誠1

所属機関: 1名古屋市立大学第1内科

ページ範囲:P.290 - P.290

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 高周波とは,一般家庭用の電流の周波数が50~60Hzであるのに対し,数百kHz以上のものを言い,医学的には300kHz~5MHzの高周波電流が用いられている.高周波を初めて医学に応用したのはRussian Cusel(1847)で,電気乾燥を皮膚病変の治療に用いた.Doyen(1909)は減衰波が凝固壊死を起こすことを発見し,Weyth(1924)は非減衰波が切開能を有することを報告した.これらを受けてCushing(1928)がBovieの協力のもとに電気メスを開発し,今日まで広く用いられている.

 電気メスは,高周波電流を細いメス先から生体の狭い部分に流すことにより電流密度を高め,発生するジュール熱を利用して切開・凝固を行うものである.生体に0.1msec以下の短時間内に電気刺激を連続的に加えると,2回目以降の刺激は絶対不応期内の刺激となり興奮を起こさなくなる.この原理を利用することにより生体に数百Wの出力の電流が使用できる.また,心筋では200kHz以上の場合,高周波電流に対する感度は極めて低く,その影響は無視できるので,安全に使用できるとされている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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