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文献詳細

雑誌文献

胃と腸31巻3号

1996年02月発行

文献概要

特集 図説 形態用語の使い方・使われ方 第Ⅱ部 検査手技・所見等の用語 a.検査・治療手技用語

小腸鏡検査(enteroscopy,small bowel endoscopy)

著者: 多田正大12

所属機関: 1京都第一赤十字病院胃腸科 2現京都がん協会

ページ範囲:P.300 - P.301

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 小腸内視鏡検査として,今日までにpush式,ropeway式,そしてsonde式の3方式の挿人手技が考案されてきた.1970年ごろから各方式のファイバースコープが独自に開発され,1971年ごろから順次,電子スコープに改良され,今日に至っている.

 push式に用いる小腸鏡は上部消化管直視型スコープの有効長をそのまま長くしたような器種であり,検査方法も上部消化管内視鏡検査に準じる.検査の約12時間前から絶食として,咽頭部の局所麻酔,腸管蠕動を抑制するための抗コリン剤の注射を行うだけの簡単な前処置である.スライディングチューブを用いて,胃や十二指腸のループ形成を防止することによって,十二指腸空腸曲(duodeno-jejunal junction; DJJ)より約100~140cmの上部空腸の観察を短時間のうちに行うことができる(Fig.1).検査手技が簡単である反面,観察範囲が上部空腸に限られることが本方式の欠点である.内視鏡直視下の生検も容易に行うことができるため,上部空腸に発生した病変やびまん性疾患に対する生検の目的に本方式の適応がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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