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特集 図説 形態用語の使い方・使われ方 第Ⅱ部 検査手技・所見等の用語 a.検査・治療手技用語
内視鏡的腸捻転整復術(endoscopic reduction of sigmoid volvulus)
著者: 多田正大1
所属機関: 1京都第一赤十字病院胃腸科,現 京都がん協会
ページ範囲:P.302 - P.302
文献購入ページに移動 腸捻転症の好発部位はS状結腸であるが,早急に治療を加えなければならないイレウスの一種である.S状結腸捻転症に対する非観血的治療法として,古典的には高圧浣腸や肛門ブジーなどが行われたが,Bruusgaard(1947)1)が直腸鏡による内視鏡的整復術を報告して以来,緊急手術を行う以前に,まず内視鏡による整復術を試みるべきとされている。最近では軟性鏡であるcolonoscopeを用いて,整復術が行われる機会が多い2).
S状結腸捻転症にも解剖学的に種々の程度があるが,180°以内の捻転であれば内視鏡治療が期待できる.しかし捻転が高度であったり,発症後時間を経過した場合では腸管壊死に陥っている危険性があり,内視鏡操作そのものによって腸管穿孔を誘発する危険性がある.したがって内視鏡的整復術の適応として,腹膜刺激症状がないこと,麻痺性イレウスに陥っていないこと,などの条件が挙げられる.
S状結腸捻転症にも解剖学的に種々の程度があるが,180°以内の捻転であれば内視鏡治療が期待できる.しかし捻転が高度であったり,発症後時間を経過した場合では腸管壊死に陥っている危険性があり,内視鏡操作そのものによって腸管穿孔を誘発する危険性がある.したがって内視鏡的整復術の適応として,腹膜刺激症状がないこと,麻痺性イレウスに陥っていないこと,などの条件が挙げられる.
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