icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸31巻3号

1996年02月発行

文献概要

特集 図説 形態用語の使い方・使われ方 第Ⅱ部 検査手技・所見等の用語 b.X線・内視鏡所見用語

Schatzki輪(Schatzki ring)

著者: 細井董三1

所属機関: 1多摩がん検診センター

ページ範囲:P.320 - P.320

文献購入ページに移動
 1953年,SchatzkiがGaryと共に下部食道に輪状の狭窄を伴った嚥下障害症候群を記載したことから一般にSchatzki syndromeまたはSchatzki ringと呼ばれている.このSchatzki輪は通常,食道裂孔から3~5cm口側の下部食道にほぼ対称的な切れ込みを形成する輪状の薄い隔膜で,厚さは大体4mm以下である.この所見はヘルニアを伴う下部食道の食道粘膜と胃粘膜の接合部に認められることからesophagogastric ringあるいはlower esophageal ringとも言われる.

 出現頻度に関してはKramer(1956)は食道症状のない患者100人のうち6人に認められたと報告している.しかし食道裂孔ヘルニアが少ないわが国ではごくまれにしか遭遇することはない.SchatzkiとGaryの報告によると,この輪は50歳以上の患者に好発し,性差は認められなかったという.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?