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文献詳細

雑誌文献

胃と腸31巻3号

1996年02月発行

文献概要

特集 図説 形態用語の使い方・使われ方 第Ⅱ部 検査手技・所見等の用語 b.X線・内視鏡所見用語

アフタ(aphtha)

著者: 多田正大1

所属機関: 1京都第一赤十字病院胃腸科,現 京都がん協会

ページ範囲:P.325 - P.325

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 アフタとは円形ないし卵円形の白苔を有する潰瘍で,その周囲を紅暈が取り囲む病変を指す(Dorland's Illustrated Medical Dictionary)が,消化器科領域のみならず,皮膚科,耳鼻科,婦人科など,様々な領域で用いられている用語である.消化器科では消化管粘膜に口腔内アフタに類似した紅暈を伴う小潰瘍,小びらんを形成した病変を指すが,その定義は明確ではない.

 アフタと同義語であるaphthoid ulcer(アフタ様潰瘍)はCrohn病の初期病変として古くから注目されてきた病変であるが,いつの間にか拡大解釈されてしまったようである.今日でこそ潰瘍性大腸炎やBehçet病,各種感染性腸炎でも同様の病変がみられることが確認されている1)が,このような病態が明確ではなかった時期に,吉川ら2)は原因不明の腸管の炎症性疾患を“アフタ様大腸炎”として,系統的に報告したのが,今日で言うアフタの語源である.ここでは小びらんが“アフタ様”であるとされており,潰瘍だけでなく,びらんも含まれるようになった経緯がある(Fig. 1).

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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