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文献詳細

雑誌文献

胃と腸31巻3号

1996年02月発行

文献概要

特集 図説 形態用語の使い方・使われ方 第Ⅱ部 検査手技・所見等の用語 b.X線・内視鏡所見用語

胃の線状潰瘍(linear ulcer of the stomach)

著者: 西沢護1

所属機関: 1東京都がん検診センター

ページ範囲:P.331 - P.331

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 胃の線状潰瘍を肉眼的および病理組織学的に明らかにしたのは村上,鈴木ら(1954)であるが,それをX線写真上に二重造影像で表し,“線状溝”あるいは“線状ニッシェ”と名づけたのは白壁,熊倉ら(1955)である.

 胃の線状潰瘍は,原則的には小彎に対し直角方向に走る線状の溝であるが,その溝を組織学的に検索してみると,どこかに開放性の潰瘍がみられることから,一般に線状潰瘍と言われている.線状潰瘍は通常3mm以上の長さのものを言うが,線状溝が長いほど潰瘍の発生からの歴史の古さを示すもので,Ul-Ⅳの潰瘍を伴うことが多いことと合わせて,難治性潰瘍の1つに挙げられている.また,線状溝が長くなるに従って小彎が短縮し,次第に囊状胃を示すようになる.再燃すると,しばしば線状溝上に円形潰瘍を伴う.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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