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文献詳細

雑誌文献

胃と腸31巻3号

1996年02月発行

文献概要

特集 図説 形態用語の使い方・使われ方 第Ⅱ部 検査手技・所見等の用語 b.X線・内視鏡所見用語

陰影欠損(filling defect,Schattendefekt)

著者: 中野浩1

所属機関: 1藤田保健衛生大学消化器内科

ページ範囲:P.334 - P.334

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 陰影欠損とは消化管のX線充盈像で,本来あるべき辺縁部分の陰影が局所で欠損している像を言う.典型的な陰影欠損は境界が明瞭で,欠損部に不整があり,進行した隆起性の癌の側面像を表し,2型癌ではSchattenplus im Schattenminus像を示す(Fig. 1).Ⅱc型早期胃癌が辺縁に存在したときにも突出像としてではなく陰影欠損として現れる(Fig. 2↓).この所見のより軽度のものは陥凹ニッシェ(Niche encastrée)や陥凹像(Aspect encastrée,Fig. 3↓)と呼ばれる.陰影欠損の輪郭が平滑かどうかで癌と非上皮性腫瘍との鑑別診断がなされる.また,陰影欠損の形,程度で癌の深達度診断が行われる.一二重造影像にみられる陰影欠損部の所見は回転の要素が加わり,恒常性に乏しく陰影欠損と呼ばないことが多い.注腸二重造影像では陰影欠損部を変形と称し,変形の形,程度で癌の深達度の診断を行う.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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