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文献詳細

雑誌文献

胃と腸31巻3号

1996年02月発行

文献概要

特集 図説 形態用語の使い方・使われ方 第Ⅱ部 検査手技・所見等の用語 b.X線・内視鏡所見用語

偽膜(pseudomembrane)

著者: 河南智晴1 長廻紘2

所属機関: 1神戸大学第4内科 2群馬県立がんセンター

ページ範囲:P.341 - P.341

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 浸出性炎症において線維素を多量に含んだ浸出物が粘稠な膜様物となって粘膜面に付着したものを正常粘膜に対して偽膜と言う.組織では偽膜は好酸性浸出物・フィブリン・核片炎症性細胞などからなる.消化管では,偽膜を伴った炎症は,食道,小腸,大腸で報告されているが,最もしばしば遭遇するのは,偽膜性大腸炎である.

 偽膜性大腸炎では,内視鏡的に直径数mm前後の円形ないし類円形のやや隆起した乳白色ないし黄白色のビロード状の偽膜が広い範囲に多発している.介在粘膜は浮腫状で血管透見は消失している.重症例では偽膜は地図状に融合し,厚く苔状となって粘膜面を覆い,介在粘膜はほとんど消失してしまう.偽膜性大腸炎は形態学的な診断名であり,病因論的な診断名である抗生物質関連大腸炎,Clostridium difficile(CD)大腸炎とはオーバーラップした概念だが同一ではない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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