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特集 図説 形態用語の使い方・使われ方 第Ⅱ部 検査手技・所見等の用語 b.X線・内視鏡所見用語
区域性腸炎(segmental enteritis)
著者: 鈴木麻子1 長廻紘2
所属機関: 1東京女子医科大学消化器病センター 2群馬県立がんセンター
ページ範囲:P.347 - P.347
文献購入ページに移動UCは区域性でないことを大きな特徴とするが,一見区域性に見えるものも少なからず経験する.真の区域性UCの有無については意見が分かれている.すなわち区域性イコールUCではないという立場と,病変部を除いて他の点では全くUCと同じ病変が確かにあり,そういうものはUCとするという立場がある.一見,区域性に見えるUCは単に病期が区域別に異なるにすぎないのでUCとすることには何の問題もない.生検を行って,腺管の配列異常や分岐,Paneth細胞出現など再生粘膜所見を得ることや,組織学的に粘膜炎症の残存を認めることなどで正常粘膜と見える部に治った,もしくはごく軽症の病変の有無を証明する.病変が存在した場合は区域性腸炎ではなく,直腸は緩解しているものの,それより口側結腸にのみ炎症が残っているものである.区域型は全経過において区域性のままとは限らない.また,再燃,緩解を繰り返すことから,CDと鑑別が難しいものがまれならずあり,経過を観察しないと診断がつかない.
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