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文献詳細

雑誌文献

胃と腸31巻3号

1996年02月発行

文献概要

特集 図説 形態用語の使い方・使われ方 第Ⅱ部 検査手技・所見等の用語 b.X線・内視鏡所見用語

結節集簇様大腸病変(nodule-aggregating lesion of the colon)

著者: 多田正大1

所属機関: 1京都第一赤十字病院胃腸科,現 京都がん協会

ページ範囲:P.349 - P.349

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 大腸ポリープのうち,腸管の水平方向に向かって発育し,背が高くならず扁平であり,表面が結節様ないし粗大顆粒様の凹凸を呈し,まるで絨毯を敷いたような形態を呈する病変が存在する(Fig. 1).病変の背丈は表面型大腸腫瘍よりやや高く,色調は白色を呈し,境界は不明瞭であり,色素撤布によって初めてその形状が正確に把握できることが多い.病変の一部に癌が共存していることもあるが,多くは病理組織学的にtubulovillous adenomaないしtubular adenomaであり,典型的なvillous tumorとは肉眼的にも組織学的にも異なる.

 このような病変の名称として顆粒集簇様病変とかⅡa集簇様病変,花壇様隆起,creeping tumor,LST(laterally spreading tumor)などの表現が用いられてきた.いずれの表現も甲乙つけがたいが,名称の不一致は好ましくないため,「胃と腸」第27巻4号(1992年)において,これらの名称を統一して“結節集簇様大腸病変”としたのがこの用語の語源である.本症は第43回大腸癌研究会(浜松,1995年7月)でも主題テーマに取り上げられ,その臨床的・病理学的実態が討論されたが,まだ報告者の間で定義は一定でない節もみられる.また,表面が結節状ではなく滑らかな病変も存在すること,結節と顆粒の違いはどうか,表面型大腸腫瘍との鑑別は明確か,などの問題点も残されている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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