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文献詳細

雑誌文献

胃と腸31巻3号

1996年02月発行

文献概要

特集 図説 形態用語の使い方・使われ方 第Ⅱ部 検査手技・所見等の用語 b.X線・内視鏡所見用語

島状粘膜残存(island-like nodule)

著者: 牛尾恭輔1

所属機関: 1国立がんセンター中央病院放射線診断部

ページ範囲:P.351 - P.351

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 表面陥凹型(ⅡC型)の早期胃癌で,しばしば浅い陥凹面に認められる.浅い陥凹面の内部に,周囲の非癌部と同じ高さで,粘膜がちょうど,島状に取り残された形態を示すことから,わが国で生まれた用語である.通常は5mm内外の大きさで,数個から十数個認められる.その1つ1つの形は不整で,辺縁も不整である.表面に癌組織が認められる場合も,認められない場合もある.陥凹の形や辺縁,ひだの性状とともに,浅い陥凹性病変における良・悪性の鑑別で,重要な所見とみなされている.領域性をもった浅い陥凹性病変内に,この島状粘膜残存が多発して認められる場合は,悪性とみなしうる.

 この所見について,欧米でははっきりした記述はなく,早期胃癌の診断学を完成させたわが国で生まれた用語である.同義語の島状隆起とすると,非癌部の周囲粘膜よりも背が高いという印象を受けるので,隆起という言葉は使わず,島状粘膜残存と呼称されることが多い.日本消化器内視鏡学会の用語委員会では島状粘膜残存という用語を用いている.胃のX線像(Fig. 1)や内視鏡像(Fig. 2),切除標本の肉眼所見(Fig. 3)で使われている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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