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特集 図説 形態用語の使い方・使われ方 第Ⅱ部 検査手技・所見等の用語 b.X線・内視鏡所見用語
食道カーリング(curling of the esophagus)
著者: 中原慶太1 馬場保昌2
所属機関: 1癌研究会附属病院内科 2癌研究会附属病院内科,検診センター
ページ範囲:P.358 - P.358
文献購入ページに移動1993年,Schatzkiはその食道造影の形態からKrauselungすなわちcurlingという表現を初めて提唱した.ほぼ同じ時期に,Moershらは食道運動機能異常を来す疾患であり,アカラシアと鑑別が必要であることを記載している.以来,1950年代まで食道カーリングは1つの疾患概念として受け入れられていた.しかし,1958年にCreamerらが初めて食道内圧測定を行い,非蠕動性同期性高振幅収縮を見いだしたことから,症候性のびまん性食道痙攣(diffuse esophageal spasm; DES)という新たな疾患概念が生まれた.1967年以後は,食道カーリングという言葉は食道造影における特徴的な食道の形態を表す表現として用いられても,疾患名として用いられることはなくなった.
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