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文献詳細

雑誌文献

胃と腸31巻3号

1996年02月発行

文献概要

特集 図説 形態用語の使い方・使われ方 第Ⅱ部 検査手技・所見等の用語 b.X線・内視鏡所見用語

中毒性巨大結腸(toxic megacolon)

著者: 青柳邦彦1 中村昌太郎1 飯田三雄2

所属機関: 1九州大学第2内科 2川崎医科大学内科 消化器Ⅱ

ページ範囲:P.370 - P.370

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 中毒性巨大結腸は,重症の腸炎により腸管が弛緩性に拡張した状態で,通常,横行結腸に認められる.多くは重症の潰瘍性大腸炎に合併したもので,頻脈,発熱,低蛋白血症,電解質異常を伴っている.しばしば穿孔を来し,その場合,死亡率が高率で約50%に及ぶとも言われている.当初,Bockusら1)が“toxic aganglionic megacolon”という名称で記載したが,本症の発生機序として腸筋神経叢の障害以外にも,筋層の広範な破壊や抗コリン薬の使用などが関与する2)ことから,現在では“toxic megacolon”と呼んでいる.なお,原疾患は潰瘍性大腸炎に限定されず,Crohn病,偽膜性腸炎,感染性腸炎(サルモネラ,キャンピロバクター,Clostridium dtfficile,サイトメガロウイルス)でも起こりうる.

 X線学的には,背臥位での腹部単純写真が診断に有用であり,横行結腸の拡張(直径7~10cm以上)2)3)が特徴的である(Fig. 1).拡張した腸管はhaustraが消失し,また潰瘍と炎症性ポリープのため,辺縁のぼけ像を伴う結節状の凹凸像として認められる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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