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文献詳細

雑誌文献

胃と腸31巻3号

1996年02月発行

文献概要

特集 図説 形態用語の使い方・使われ方 第Ⅱ部 検査手技・所見等の用語 b.X線・内視鏡所見用語

ニューモビリア(pneumobilia)

著者: 杉山和久1 芳野純治1

所属機関: 1藤田保健衛生大学第2病院内科

ページ範囲:P.377 - P.377

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 胆管内に空気が人った状態がニューモビリア(pneumobilia;胆道気腫)である.空気により描出された胆管像をpneumocholangiogramと言う.

 腹部単純X線写真によって胆管のガス像として観察される.胆汁は肝臓の末梢から肝門部に向かって流れているため,胆管内ガスは肝門部に集まる傾向がある.したがって,pneumobiliaは腹部単純X線写真では大きな木の枝状,棍棒状のガス像を呈する(Fig. 1).肝陰影内にガス像を呈するものはほかに門脈内のガス像がある.これは門脈の流れに沿って肝末梢に達するため,細かい分枝を持った樹枝状陰影を示すため鑑別が可能である.一方,腹部超音波検査でも本症の所見を捉えることができる.腹部超音波検査の所見は肝内門脈分枝に沿った肝内胆管に直線上,階段状,粒状の高エコー像として描出される(Fig. 2).これらは,ときにやや弱い音響陰影を伴う.この弱い音響陰影は空気によるためであるが,腸管内のガス像より更に明瞭に描出されることが多い.また,体位変換によって,変化消失することもpneumobiliaの超音波像の特徴の1つである.鑑別診断として,肝内結石症でも肝内に点状高エコーを呈するが,結石の場合は多重様のエコーがなく,明瞭なより強い音響陰影となる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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