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文献詳細

雑誌文献

胃と腸31巻3号

1996年02月発行

文献概要

特集 図説 形態用語の使い方・使われ方 第Ⅱ部 検査手技・所見等の用語 b.X線・内視鏡所見用語

囊形成(sacculation)

著者: 黒木文敏1 飯田三雄1

所属機関: 1川崎医科大学内科 消化器Ⅱ

ページ範囲:P.380 - P.380

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 1966年,Marstonら1)は虚血性大腸炎を壊疽型,狭窄型,一過性型の3型に分類し,狭窄型の慢性期の特徴的な注腸X線所見の1つとしてsacculation(囊形成)という用語を用いた.sacculationとは,潰瘍の瘢痕収縮によって生じた腸管の変形を表す用語であり,比較的大きな囊状の変形もしくは偽憩室(pseudodiverticulum)様変形を示す.

 虚血性大腸炎においては,結腸紐に沿って縦走潰瘍が形成されるため,sacculationはその対側に形成される.潰瘍が治癒する際の粘膜下における線維性組織の不均一な沈着により,このような変形が生じると考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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