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文献詳細

雑誌文献

胃と腸31巻3号

1996年02月発行

文献概要

特集 図説 形態用語の使い方・使われ方 第Ⅱ部 検査手技・所見等の用語 b.X線・内視鏡所見用語

囊状胃(Beutelmagen,wallet stomach)

著者: 西沢護1

所属機関: 1東京都がん検診センター

ページ範囲:P.381 - P.381

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 線状潰瘍が嚢状胃の原因であることを明確にしたのは村上,鈴木ら(1954)1)である.Fig. 1は嚢状胃を示すX線像で,著明な小彎の短縮によりできたものである.胃角部に小ニッシェ様突出が見られるが,これは小彎をまたがる線状溝の一部で,充満像だけでも囊状胃であれば線状潰瘍と言ってほぼ間違いなく,小彎にニッシェあるいは小ニッシェ様突出を認めれば,診断はより確実となる.

 その成り立ちは,Fig. 2に見られるように,線状潰瘍が再燃・再発を繰り返し,長くなればなるほど小彎は短縮を来し,蝸牛角状内飜(Schneckenförmige Einrollung)から囊状胃(Beutelmagen)を示すようになる.多発潰瘍や胃癌により一見囊状胃に見えることがあるが,二重造影像や内視鏡で線状潰瘍を認めることにより鑑別することができる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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