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文献詳細

雑誌文献

胃と腸31巻3号

1996年02月発行

文献概要

特集 図説 形態用語の使い方・使われ方 第Ⅱ部 検査手技・所見等の用語 b.X線・内視鏡所見用語

白苔(Belag)

著者: 中野浩1

所属機関: 1藤田保健衛生大学消化器内科

ページ範囲:P.383 - P.383

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 胃・十二指腸潰瘍の潰瘍底を覆う白色の付着物質で,通常“ベラーク”と呼び慣れている(Fig. 1).胃・十二指腸のみならず食道・小腸・大腸の潰瘍底にも認められる.また,潰瘍底のみならずびらん面にも認められ,良性の潰瘍,びらん面だけではなくⅡC型早期癌の陥凹面,また汚いという修飾語が付くが進行癌のクラーテルの底部にも認められる.そして,悪性リンパ腫の潰瘍,びらん面にはクリーム状と言われる滲み出るような黄色を帯びた白苔がみられる.

 典型的な白苔は胃・十二指腸潰瘍の底に,それも少し治癒過程に入った時点でみられる純白の付着物である.この白さは体内で内視鏡を通じて見たもので,手術材料では黄色で混濁している.そして,この白苔は胃・十二指腸潰瘍の治癒とともに底の部分を覆いながら縮小し,白苔の消失は潰瘍の治癒を意味する(Fig. 2).病理組織学に白苔はAskanazyの潰瘍底の4層構造中の滲出層,壊死層に由来するものと思われるが詳しくは検討されていない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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