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文献詳細

雑誌文献

胃と腸31巻3号

1996年02月発行

文献概要

特集 図説 形態用語の使い方・使われ方 第Ⅱ部 検査手技・所見等の用語 b.X線・内視鏡所見用語

ひだの中断(断裂)(abrupt ending,abrupt cessation)

著者: 中澤三郎1

所属機関: 1藤田保健衛生大学第2病院内科

ページ範囲:P.388 - P.388

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 胃癌,特に陥凹型早期癌では,しばしば癌巣に向かってひだ(皺襞)が集中する例がみられる.この集中するひだの先端は,癌浸潤の程度などにより様々な形態を呈する.ひだの中断あるいは断裂とはその1つで,ひだの先端が陥凹の辺縁で急に凹凸不整に途切れることを示す.すなわち,ひだの中断は中断した部位まで癌浸潤が及んでいるために生じ,この位置が粘膜層における癌浸潤の境界である.

 また,癌浸潤の程度や組織型によってひだの先端の形態は異なることが明らかにされている.ひだの中断は癌浸潤が粘膜層内にとどまる例に多く認められ,組織型では未分化型癌に多く認められる所見である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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