icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸31巻3号

1996年02月発行

文献概要

特集 図説 形態用語の使い方・使われ方 第Ⅱ部 検査手技・所見等の用語 b.X線・内視鏡所見用語

標的徴候(target sign)

著者: 児嶋弘泰1 牛尾恭輔1

所属機関: 1国立がんセンター中央病院放射線診断部

ページ範囲:P.390 - P.390

文献購入ページに移動
 標的とは,矢などを打つ目印や的を意味するもので,消化管のX線写真で,同心円状の所見がみられた場合,標的徴候と呼ばれる.この徴候は,胃・大腸の有茎性ポリープの所見として主に使われてきたが,そのほか無茎性ポリープ,あるいは胃の転移性悪性腫瘍の所見として標的徴候も,しばしば使われている.

 胃・大腸の有茎性ポリープは,X線の照射方向によって種々の像を示す.特に有茎性ポリープを長軸方向に平行に真正面から見た場合,同心円上に二重の輪状影として認められることが多く,これを標的徴候(target sign)と呼ばれる.この場合,中心の小さいほうの輪状影は茎の,外側の大きいほうの輪状影はポリープの輪郭を示している.Fig. 1は大腸の有茎性ポリープの側面像(a)と正面像(b,c:標的徴候)を示したものである.このX線における有茎性ポリープの標的徴候は,Youker JEらが1971年の「Radiology」に紹介している.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?