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文献詳細

雑誌文献

胃と腸31巻3号

1996年02月発行

文献概要

特集 図説 形態用語の使い方・使われ方 第Ⅱ部 検査手技・所見等の用語 b.X線・内視鏡所見用語

壁の硬化(直線化)(rigidity of the wall,stiffness)

著者: 中原慶太1 馬場保昌2

所属機関: 1癌研究会附属病院内科 2癌研究会付属病院内科,検診センター

ページ範囲:P.394 - P.394

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 直線化とはX線造影において一定の曲線で描かれるはずの臓器の辺縁が直線的に現れる所見である.観察手段や方向,単なるねじれ,あるいは他の臓器による圧迫などによって偶然直線的に現れる正常像から,壁の硬化を伴う異常像までが広義的に含まれている.

 癌の浸潤や線維化などにより胃壁に器質的変化が起こると弾性が失われ,壁が質的に硬くなることを壁の硬化または壁の硬直と言う.X線形態用語としての壁の硬化像にはこのような病理組織学的な要素が含まれ,直線化に比べると,質的に硬いという意味合いが強い.関連用語としては壁の肥厚があり,炎症性浮腫や癌の塊状浸潤などにより胃壁の厚みが増した状態を言う.壁の硬化には壁の肥厚を伴うものと伴わないものがあり,X線的にも異なった所見を呈する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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