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特集 図説 形態用語の使い方・使われ方 第Ⅱ部 検査手技・所見等の用語 b.X線・内視鏡所見用語
幽門狭窄(pyloric stenosis)
著者: 磨伊正義1
所属機関: 1金沢大学がん研附属病院外科
ページ範囲:P.400 - P.400
文献購入ページに移動X線撮影上の注意として,狭窄部位の辺縁が観察できるように充盈像,二重造影像のほか圧迫撮影は必須である.幽門部癌による悪性狭窄の場合は狭窄部の辺縁の不整,硬化が著明で,しばしば陰影欠損がみられる(Fig. 2).十二指腸球部潰瘍による狭窄では直接所見は把握しにくいが,手術症例の検討からほとんどの幽門狭窄の例において活動性潰瘍が同時に認められている(Fig. 3).瘢痕のみによる閉塞はほとんどみられないことから,幽門狭窄を伴う球部潰瘍では活動期の潰瘍の存在を考慮し,即手術ではなく,抗潰瘍薬による保存的治療による経過観察により改善することが多い.
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