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文献詳細

雑誌文献

胃と腸31巻3号

1996年02月発行

文献概要

特集 図説 形態用語の使い方・使われ方 第Ⅱ部 検査手技・所見等の用語 b.X線・内視鏡所見用語

輪状膵(annular pancreas)

著者: 三竹正弘1 芳野純治1

所属機関: 1藤田保健衛生大学第2病院内科

ページ範囲:P.402 - P.402

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 輪状膵とは疾患名であり,膵頭部組織の一部が十二指腸下行脚を輪状に取り巻く先天性発生異常である.1818年にTiedemanが剖検例を初めて報告した.

 annular pancreasなる名称は1862年にEckerによって提唱された.わが国における最初の報告は1922年の黒沢の剖検例であり,当初,環状膵なる用語が使用されていたが,南山堂医学辞典では第16版(1978年)より,環状膵の用語が削除され輪状膵が採録されている.内科学会用語集,消化器内視鏡用語集では輪状膵の用語のみ採録されており,現在では輪状膵が一般的に使用されている.輪状膵の発生に関しては多くの説が提唱されているが,腹側膵原基右葉の先端が十二指腸壁に癒着し,そのため十二指腸の時計方向回転の際に腹側膵原基が十二指腸の周りに引き伸ばされて輪を形成するとしたLeccoの説が最も有力である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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