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文献詳細

雑誌文献

胃と腸31巻3号

1996年02月発行

文献概要

特集 図説 形態用語の使い方・使われ方 第Ⅱ部 検査手技・所見等の用語 c.病理・病変用語

de novo癌(de novo carcinoma)

著者: 中村恭一1

所属機関: 1東京医科歯科大学病理

ページ範囲:P.406 - P.406

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 大腸癌の組織発生において,adenoma-carcinoma sequenceの癌,つまり腺腫の癌化による癌に対して,直接大腸粘膜から発生した癌をcarcinoma de novoと呼んでいる.“de novo”とはラテン語で“初めから,あらたに”を意味する.現在,世界では一般的に大腸癌の組織発生“大腸癌のほとんどすべて(95~100%)は腺腫(=dysplasia)の癌化による癌である”が受容されている.更には,近年その学説に遺伝子変化が付加されて,大腸の癌化機序“mucosa→dysplasia(=adenoma)→carcinoma→metastasis”となっている.

 しかし,adenoma-carcinoma sequence説は,癌組織診断基準“異型度著明なdysplasia腺管の粘膜下組織浸潤をもって癌と定義する”ということを前提として導かれたものである.そして,粘膜内に限局しているdysplasia病変(=腺腫)を,その異型度をもってmild,moderate,severeの3段階に区分し,たとえ異型度が明らかに癌であってもそれを粘膜内癌とはせずにsevere dysplasiaとしている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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