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文献詳細

雑誌文献

胃と腸31巻3号

1996年02月発行

文献概要

特集 図説 形態用語の使い方・使われ方 第Ⅱ部 検査手技・所見等の用語 c.病理・病変用語

PCR法,PCR-SSCP法

著者: 落合淳志1 下田忠和2

所属機関: 1国立がんセンター研究所病理部 2国立がんセンター中央病院臨床検査部

ページ範囲:P.409 - P.409

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 1.PCR法(polymerase chain reaction;ポリメラーゼ連鎖反応)

 特定のDNA領域を挟んだ2種類のプライマーと基質ヌクレオチドおよび耐熱性DNA合成酵素(DNAポリメラーゼ)を用いて試験管内でDNAの合成反応を繰り返し行うことにより,微量の試料からその特定のDNA領域を増幅して取り出す方法.増幅したいDNA領域の両端に相補的なオリゴヌクレオチドを合成してプライマーとする.鋳型DNAは通常2本鎖であり,これを熱変性して1本鎖化し,プライマーを結合させた後DNAポリメラーゼにより相補的なDNA鎖の合成を行う.この1サイクルによりDNA領域のコピー数が原理的に2倍になり,これを繰り返すことにより目的のDNA領域を数十万倍に増幅し取り出すことが可能となる.

 PCR法は1985年にSaikiらにより開発され,その原法ではKlenow酵素が用いられたが,その後,高度好熱菌から分離された耐熱性DNA合成酵素Taqポリメラーゼの導入と,1987年にはPCR自動化装置サーマルサイクラーの開発が進み,飛躍的にその利用が広まった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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