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文献詳細

雑誌文献

胃と腸31巻3号

1996年02月発行

文献概要

特集 図説 形態用語の使い方・使われ方 第Ⅱ部 検査手技・所見等の用語 c.病理・病変用語

癌肉腫(carcinosarcoma)

著者: 下田忠和1 落合淳志2

所属機関: 1国立がんセンター中央病院臨床検査部 2国立がんセンター研究所病理部

ページ範囲:P.418 - P.418

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 歴史的には同一腫瘍内に癌腫と肉腫が混在するcomposite tumorを癌肉腫と呼んできた.しかし癌肉腫の定義は臓器によって異なり,共通の定義はないのが現状である.すなわち子宮体部のmüllerian mixed tumorはhomologusな成分から成る癌肉腫とheterologusな成分から成る中胚葉混合性腫瘍(mixed mesodermal tumor)に分けられている.

 一方,癌腫が肉腫様に変化することは,まれならず経験されるが,これは偽肉腫(pseudosarcoma)あるいは肉腫様の癌(carcinoma with sarcomatous change)と呼ばれ真の癌肉腫とは区別されてきた.この現象は特に扁平上皮癌で多くみられる現象で,組織学的には腫瘍細胞が紡錘形に変化することが特徴であり,squmous cell carcinoma with spindle cell variantsと呼ばれることが多い(Fig. 1).また,腺上皮系の腫瘍でも低分化型腺癌では,ときに腫瘍細胞が肉腫様に変化し,更に巨細胞(特に破骨型,osteoclast type)を伴う頻度が高い.これらはいずれもhomologus tumorで基本的には上皮性腫瘍であるとの観点から,“いわゆる”癌肉腫(so-called carcinosarecoma)と呼ばれてきた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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