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特集 図説 形態用語の使い方・使われ方 第Ⅱ部 検査手技・所見等の用語 c.病理・病変用語
バレット上皮(Barrett's epithelium)
著者: 小池盛雄1
所属機関: 1東京都立駒込病院病理科
ページ範囲:P.426 - P.426
文献購入ページに移動Barrett食道の成因としては,胃食道逆流に起因する後天性の変化が考えられている.Barrett食道の粘膜上皮をBarrett上皮と言い,その形態が胃や腸の正常上皮に認められないという点で特殊な上皮と考えられspecialized columnar epitheliumと呼ばれている.しかし,その性状は胃の腸上皮化生と類似している.形態学的には杯細胞と,微絨毛,分泌顆粒を持つprincipal cellと称される細胞の存在が強調されているが,その上皮は胃の腸上皮化生の超微形態学的検索で認められる変化と類似している.吸収上皮と腺窩上皮の粘膜はsialomucinとsulfomucinから成る酸性粘液を有しており,粘液性状も胃の腸上皮化生と類似している.また,内分泌細胞も観察され,Brush borderやPaneth cellの欠如した不完全型腸上皮化生の一種と考えられている.Barrett食道は食道腺癌の発生母地として重要である.
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