icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸31巻3号

1996年02月発行

文献概要

特集 図説 形態用語の使い方・使われ方 第Ⅱ部 検査手技・所見等の用語 c.病理・病変用語

良性悪性境界領域病変(borderline lesion)

著者: 岩下明徳1

所属機関: 1福岡大学筑紫病院病理

ページ範囲:P.430 - P.430

文献購入ページに移動
 良性悪性境界領域病変について統一された見解はないが,現在一般に病理組織学的に良性か悪性かの判断が容易につきかねる病変をそう呼んでいる.この病変は病理医を苦悩させるだけでなく,病理組織診断に基づいて,それぞれ最適とする臨床的対処を行おうとしている臨床医をも困惑させるものである.

 境界病変は内容的には種々のものを含むが,大きく2つに分けられる.すなわち,①その本態は非腫瘍,良性腫瘍,悪性腫瘍のいずれかであるが,病理組織像がそれらの中間を示すためその判断に迷うもの(この中には(a)非腫瘍か腫瘍性病変かの判別が問題となるもの,(b)良性腫瘍か悪性腫瘍かの鑑別が問題となるもの,(c)良性病変と誤りやすい悪性病変,および悪性腫瘍と誤診しやすい非腫瘍病変が含まれる)と,②良性腫瘍と悪性腫瘍の中間に位置するもの(中間群腫瘍),および中間状態と想定されるもの(この中には(a)真の境界病変,(b)前癌病変,(c)ある種の腫瘍の初期像incipient neoplasiaが含まれる)である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら