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文献詳細

雑誌文献

胃と腸31巻4号

1996年03月発行

今月の主題 新しいCrohn病診断基準(案)

序説

Crohn病診断基準(案)

著者: 武藤徹一郎1

所属機関: 1東京大学医学部第1外科

ページ範囲:P.449 - P.450

文献概要

 Crohn病診断基準(案)が日消誌に発表されてから20年! この度ようやくその改訂案が出された.改訂案というよりは全く内容を新たにしたCrohn病診断基準(案)が誕生したのである.心からその誕生を喜びたい.20年前にCrohn病診断基準(案)の作成が企画されたころには,まだわが国に本物のCrohn病はわずかしか発見されていなかった.それも臨床的な術前診断例は少なく,切除標本の組織学的診断によってかろうじてCrohn病と診断された例が多かった。今とは異なり,Crohn病を見つけると多くの臨床家は喜び勇んで学会に発表したものである.

 とにかく,典型的なCrohn病を多数例診た人がほとんどいないために,その画像がどんなものかもよくわかっていなかったのもやむを得ないことであった.組織診断についても同様で,類上皮肉芽腫や全層性炎症が認められればCrohn病という診断がつけられることもまれではなかった.このため,いわゆる単純性潰瘍がCrohn病と診断されることもあった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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