今月の主題 新しいCrohn病診断基準(案)
主題 Crohn病診断のための主要所見と副所見
縦走潰瘍―X線診断の立場から
著者:
西俣嘉人1
西俣寛人1
大井秀久1
新原亨1
仁王辰幸1
松田彰郎1
山田一隆2
末永豊邦2
中村勇一3
前之原茂穂4
野口昌宏5
中原信昭5
青崎真一郎6
堀雅英7
西俣寿人8
瀬戸山史郎8
所属機関:
1南風病院消化器病センター
2南風病院外科
3天保山記念病院消化器内科
4天保山記念病院外科
5鹿児島市立病院消化器内科
6済生会川内病院消化器内科
7今村病院消化器内科
8鹿児島県民総合保健センター
ページ範囲:P.465 - P.478
文献購入ページに移動
要旨 1976年にクローン病診断基準(案)が発表されて以来,わが国のCrohn病の報告例が増加してきたが,逆にこの診断基準(案)では不都合な点も次第に明らかになってきた.そこで,われわれはCrohn病診断のための主要所見と副所見の1つとして,縦走潰瘍および縦軸要素の病変を取り上げてそのX線診断について検討した,(1) Crohn病の潰瘍性病変を形態・分布・方向により7つの型に分け,しかも縦走潰瘍領域と非連続領域に大別した.(2) 小腸の縦走潰瘍は充満像ではloopの内側辺縁に伸展不良として,二重造影像では正面像あるいはこれに近い像として描写されることが多い.充満像あるいは二重造影像で良好な像が得られないときは圧迫を上手に用いるべきである.(3) また,縦走潰瘍領域には種々の変形や辺縁の異常がみられるが,変形の診断学的意義は①小病変のチェック,②病変の性状診断,特にその方向性の診断である.