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文献詳細

雑誌文献

胃と腸31巻4号

1996年03月発行

今月の主題 新しいCrohn病診断基準(案)

主題 Crohn病診断のための主要所見と副所見

大腸敷石像―他疾患の炎症性ポリポーシスとの鑑別を含めて

著者: 青柳邦彦1 飯田三雄2 檜沢一興1 吉村龍司1 江崎幹宏1 佐藤智雄1 藤島正敏1

所属機関: 1九州大学医学部第2内科 2川崎医科大学内科(消化器Ⅱ)

ページ範囲:P.479 - P.491

文献概要

要旨 Crohn病でみられる敷石像のX線・内視鏡所見の特徴を,他疾患との鑑別を含め検討した.対象は,大腸に潰瘍性病変(縦走潰瘍,不整形小潰瘍)とそれに随伴した敷石像・炎症性ポリープを有するCrohn病41例に加え,潰瘍性大腸炎33例と腸結核8例である.①敷石像のX線学的所見として,密集する小隆起と開放性潰瘍(裂溝,縦走潰瘍,小潰瘍)の存在が重要であった,②敷石像類似の密集性小隆起は一部の潰瘍性大腸炎でもみられたが,縦走性変化はなく,縦走性変化を有する敷石像はCrohn病の診断に特異度の高い所見と考えられた.③敷石像は入院治療により改善し,多くは縦走潰瘍に炎症性ポリープが随伴するタイプに変化したが,潰瘍が消失しても密集性小隆起が残るタイプは長期経過中に狭窄が進行する例が多かった.以上から,敷石像はCrohn病の診断と予後推定に重要な所見と考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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