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文献詳細

雑誌文献

胃と腸31巻4号

1996年03月発行

文献概要

今月の主題 新しいCrohn病診断基準(案) 主題 Crohn病診断のための主要所見と副所見

アフタ,不整形潰瘍

著者: 斉藤裕輔1 垂石正樹1 野村昌史1 栄浪克也1 綾部時芳1 蘆田知史1 谷口雅人1 渡二郎1 小原剛1 柴田好1 高後裕1

所属機関: 1旭川医科大学第3内科

ページ範囲:P.513 - P.522

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要旨 1990年4月から1995年10月までに当科で診断,治療したCrohn病63例の各種画像所見を分析し,新しいCrohn病の診断基準案の中のアフタ,不整形潰瘍について解説した.大腸内視鏡検査では,アフタは74.6%,不整形潰瘍は54%に出現し,同時期に施行した注腸X線検査における出現率60%,51.4%に比較して高率に認められ,Crohn病の大腸の微細所見の検出に内視鏡は有用であった.一方,領域を有し,診断に変形が重要となる典型病変の縦走潰瘍,敷石像の出現率は,注腸X線検査でそれぞれ45.7%,31.4%と,内視鏡検査での23.8%,19%に比較して高く,変形の指摘と概観撮影法として優れていた.小腸においては空腸から上部回腸,骨盤内回腸と肛門側の小腸で微細病変,典型病変ともに所見の出現率は高かった.所見の多い骨盤内回腸においては,有管法による小腸造影に比べて内視鏡的逆行性回腸造影ですべての所見の出現率は高く,骨盤内回腸の詳細な所見の拾い上げに有用であった.内視鏡的生検標本425個におけるルーチン生検標本の検討からgranulomaの検出率は症例数では39.6%であり,個数では11.8%であった.所見別では不整形潰瘍からのgranuloma検出率は8.6%と低かったが,アフタからのgranuloma検出率は15.1%と高く,特に直腸,盲腸のアフタからのgranuloma検出率が高く,Crohn病の早期診断にアフタの発見,生検は有用と考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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