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文献詳細

雑誌文献

胃と腸31巻4号

1996年03月発行

早期胃癌研究会症例

残胃に発生したhamartomatous inverted polypの1例

著者: 多田修治1 神尾多喜浩2 宮島伸治1 藤本貴久1 池田和隆1 瀬上一誠1 原口修1 岩永祐治3 志垣信行3 平井國明4 須古修二2 須古博信1

所属機関: 1済生会熊本病院消化器科 2済生会熊本病院病理 3済生会熊本病院外科 4平井・藤岡医院

ページ範囲:P.539 - P.546

文献概要

要旨 患者は68歳の男性で,28年前に胃潰瘍で幽門側胃切除術を受けた.数年前から食欲低下があり,受診時には全身倦怠感と体重減少および貧血を認めた.胃X線検査では,残胃の小彎後壁側に太い茎部があり,巨大な脳回状の頭部は体位によって残胃から十二指腸へ逸脱した.内視鏡検査では巨大な茸状の有茎性ポリープがみられ,頭部には光沢のある粗大顆粒状の粘膜と,数か所に小潰瘍を認めた.開腹術を行い,腫瘤(頭部7×6cm,茎部幅3.5cm)を摘出した.組織学的には,大小の腺管が粘膜下層において増殖し,嚢胞状拡張が随所に観察された.腺管の主体は腺窩類似の上皮細胞であったが,一部に異型腺管も認められた.問質には線維性結合織の増生と平滑筋束がみられた.本病変は一種のheterotopiaであるが,病変の大きさと形態を考慮して,有茎性に発育したhamartomatous inverted polypと診断した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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