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文献詳細

雑誌文献

胃と腸31巻4号

1996年03月発行

早期胃癌研究会症例

虚血性腸炎を併発した大腸腸間膜脂肪織炎の1例

著者: 神谷健司1 瀬川昴生1 岡村正造1 大橋信治1 三竹正弘1 中川浩1 藤井康彰1 宮田敬博1 竹本正興1

所属機関: 1豊橋市民病院消化器内科

ページ範囲:P.553 - P.559

文献概要

要旨 患者は57歳,女性.左下腹部痛で来院し,左下腹部に手拳大の腫瘤を触知した.注腸X線検査では,下行結腸からS状結腸にかけて拇指圧痕像と偏側性の鋸歯状の不整像を認め,内視鏡検査では著明な浮腫状隆起のため,狭窄が直腸から高度であった.CTではS状結腸から下行結腸にかけて腸管の浮腫とその周囲の腸間膜が低吸収領域を示した.以上から大腸腸間膜脂肪織炎と診断した.手術で脾彎曲から直腸の腹膜翻転部まで腸間膜は硬結し,腸管壁の浮腫硬化も著明であった.腸管粘膜は広範な出血性壊死とともに,明らかな線状潰瘍も認められた.病理組織所見は活動(急性)期虚血性腸炎を併発した大腸腸間膜脂肪織炎に相当した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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