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今月の主題 表層拡大型早期胃癌 序説
表層拡大型早期胃癌
著者: 吉田茂昭1
所属機関: 1国立がんセンター東病院内科
ページ範囲:P.571 - P.572
文献購入ページに移動この中で,表層拡大型はとりわけ二次平面的な発育進展を特徴とする癌であり,組織学的には“病巣の大きさの割に深達度の浅い癌”として,また,腫瘍生物学的には“深部浸潤傾向に乏しく側方浸潤を主体とする癌”として位置づけられている.この種の胃癌の存在は古くから知られており,その起源はStout(1942年)の“superficial spreading type of carcinoma of the stomach”の記載にまで遡ることができる.無論,当時は早期胃癌の概念はなく,深達度の定義はなされていないが,感覚的に深部浸潤に乏しいという意味で,mpを越えない15例(5例は早期胃癌に相当)を報告している.一方,わが国では早期胃癌の定義がなされたわずか8年後の1970年に,安井が側方浸潤を主体とする早期胃癌の存在を報告し,長径と短径の積が25cm2以上である早期胃癌を表層拡大型胃癌として明確に定義した.
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