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文献詳細

雑誌文献

胃と腸31巻5号

1996年04月発行

今月の主題 表層拡大型早期胃癌

主題

表層拡大型早期胃癌のX線および内視鏡的術前診断の検討

著者: 森田秀祐1 馬場保昌1 酒井照博1 二宮栄司1 加来幸生1 武本憲重1 竹腰隆男1 丸山雅一1 太田博俊2 中島聰總2 加藤洋3

所属機関: 1癌研究会附属病院内科 2癌研究会附属病院外科 3癌研究会附属病院病理

ページ範囲:P.581 - P.593

文献概要

要旨 表層拡大型(表拡型)早期胃癌の定義は,癌の平均径が8cm以上で深達度がsmまでにとどまるものとした.1981年~1993年の13年間に癌研外科で切除された全胃癌3,690例に対する表拡型早期胃癌の頻度は0.79%(29例)である.表拡型癌29例を対象に臨床病理学的診断の立場から検討した.癌の主占拠部位別頻度では胃体部領域が最も多く21例(72%)であった.肉眼型別頻度は陥凹型が多く76%(22例)であった。Ⅱb合併は3例(10%)であった.癌組織型は未分化型が多く69%(20例)であった.深達度では粘膜下層(sm)が多く66%(19例)であった.背景粘膜の腸上皮化生程度では高度な例が多く45%(13例)であった.リンパ節転移は11例(38%)にみられた.術前の拡がり診断率は,X線検査90%,内視鏡検査79%であった.分化型と未分化型の混合型が12例(41%)を占めていたこと,癌の拡がり方が同心円状でなく奇異な形の拡がりを示した癌が6例(21%)であったことから,表拡型早期胃癌の多くは多中心性に発生した癌が互いに融合して,1つの癌巣を形成していることが考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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